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「結論から話せ」と言うけれど

 社会人になると、上司やお客さんへの報告は、結論から話すのがセオリーだと言われたりします。

とはいえ、本当に結論から簡潔に話せる人はそう多くはありません。

大抵の人は「結局、何が言いたいの?」とか言われた経験があるでしょう。

「『お前だって人の事言えないだろ』と言いたいです」なんて言い返してはいけません。笑


そもそも、結論から話す必要があるの?と思っている人もいるでしょう。

Aという理由や状況があり結果的にBだった、という場合は「AだからBです」という順番で話すのが自然じゃないの?と。

これは、日本語の文法的には正しいです。

でも、世渡りとしてはNGになってしまう事も多いです。

なぜか?

現代人は時間に追われている状態がデフォルトなので、ひとつひとつの事をさっさと済ませたいという感覚が根付いているからです。

相手が話している最中でも全体像を把握しようとしたり何らかの結論を出そうとする癖が染み付いてしまっているのです。

なので、相手の話から全体像が見えず結論を出せない時間帯が長くなればなる程、聞き手はいらいらしたり誤った解釈をするようになります。

これが最大の理由です。

また、現実問題として、長い文章や話から正確に情報を読み取れない人も多数います。

そういった聞き手への配慮として、端的に結論から話す必要があるのです。


しかし、日本語の発想では「Bです。なぜかと言うとAだったからです」という話し方は不自然で抵抗があるので、結論から話すのは意外と難しいものです。

気を付けている時は結論からスパッと話せるけど、緊迫している時に限って地が出て結論を遠ざけてしまったりします。

また、あまりにも性急に核心を突くと不躾に聞こえて相手を怒らせる事もある、という厄介な側面もあるので、言葉を選ぶ必要もあります。


結論から無難に話せるようになる簡単な方法は、今から結論を言いますよ、と分かるような短いフレーズを前置きする事です。


・結果的には●●でした

・結論から言うと、●●です

・結局、●●でした

・最後は●●でした

・最終的には●●でした

・必要なのは●●です


上記の言い方だと嫌な予感がする時は、主語や目的語を省かないようにすると上手く伝えられる事も多いです。

日本語は主語や目的語を簡単に省ける言語ですが、例えば「▽▽は●●でした」とか「▽▽が■■を●●します」というようにあえて主語や目的語を明確に言うと客観性が増す、という特徴があります。


・今から結論を言いますよ、という短い前置きを口癖にする

・地雷を踏みそうな結論を話す時には、主語や目的語を省かないようにする


上記の2点を口癖にするだけで、伝達能力はどんどん成長します。


余談ですが、この記事の結論は「結論から話せるようになる方法」でしたが、冒頭にその方法は書かれていません。

なぜ引き伸ばしたのかと言うと、全ての読者が「結論から話せる方法を知りたい」という目的でこの記事を読むとは限らず、読み始めた時点ではまだ終着点が存在しなかったからです。


方向を定める→ゴールを決める→結論を出す


…という構成でした。


…というのは後付けで、単に全部読んで欲しかったからです。